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2008年10月28日

カステラ

時は1571年、室町。

長崎の船場に宣教師が降り立った。

風の強い雨がパラパラと降り注いでいた午後の事である。

鼻の下には長い髭を蓄え、シルクハットにマント姿、杖、胸には交差されている形のネックレスをした背の高い男。

この様な風貌の人間なんてこれまでの日本人は見たことが無い。

近づいて来て何か言いたげだったが、まるで動物の鳴声のようなものが耳に届くばかりである。

化け物でも見るような反応。

遠ざかっていく人々。

中には見世物にでもしてやろうという輩も出て来て、追いかけられる始末。

受け入れ態勢が皆無な時代である。

皆さんがご存知のように長崎という街は山に囲まれておりまして、日も暮れ、雨の中、追い回され山の方へ逃げ込むほか方法は無かった。
山道で迷い途方に暮れてしまった。

数時間歩き続け、空腹の中ついに倒れてしまう。

何時間が経過したのだろう。
目を覚ますとほんの小さなひとつの明かりを見つけた。

微力を振り絞り一歩、一歩と近づいて行った。

小さな古いお寺。

扉をノックして、しばらくすると中から住職らしき男が顔を覗かせた。

泥まみれの背の高い男、安堵感からかそのまま住職にもたれるかの様に倒れた。

高熱も出たせいか、2~3日寝込んでしまっていたようである。

目を開けると、介護をしてくれている住職。

やさしさのあまり涙がつたい、この地に降りてこんな親切を受けたのは、始めてだ。

数日が経ち体力も回復し、介護のお礼にでもとお菓子を作ろうと宣教師は原材料を調達に出かけた。

卵、小麦粉、砂糖で作られたシンプルなお菓子。

そう「カステラ」である。

カステラを日本人で始めて食したのがこの住職なのである。

人と人との気持ちが通じ合った時間。

「カステラ」とは、「お寺」を「貸す」というところから語源となって、今日に至るという話である。

そして宗教上からこの寺を追い出されるまで、おおよそ45年間その寺に住み続けたということだ。




















ウソじゃ、ボケ!

Posted by ながいまる  at 00:00 │Comments(0)

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